San Francisco

  • 澪標 ”Mio-tsukushi “

    私たちが使わせて頂いているお道具の中に、銘が「みおつくし」というお茶入があります。 「みおつくし」という言葉は、同音異義語で二つの意味があります。 一つの意味は、「澪標」:船の安全航行のための標識で、水深水脈を示す目盛りが杭に記されています。 このお茶入れの胴に描かれた黒っぽい点々がその目盛りを思い起こさせます。 もう一つの意味は、「身を尽くす」という意味の句です。 この「身を尽くし」という句が出てくる和歌が、源氏物語の14巻に出てきますが、それに因んで、小堀遠州はこのお茶入れを銘名したそうです。 その和歌とは、「みをつくし恋ふるしるしにここまでもめぐり逢ひけるえには深しな」です。 因みにこのお茶入れは、中興名物 後釜 織部の写しで、細身の胴に黒っぽい点々が描かれたモダンなデザイです。 仕服の裂地は白色細蔓古金蘭です。 ****** One of the Ocha-ire (tea containers) we use for okeiko is called “Mio-tsukushi “(みおつくし). “Mio-tsukushi” is a homonym. One meaning is a water depth marker. Black dots on the Ocha-ire jar look like the water marker scales. Another meaning of “Mio-tsukushi” is “To give my… Continue reading

  • 茶杓 Chashaku

    茶杓 Chashaku

    茶杓とは、その形から予想できる通りお抹茶をすくうための道具です。私たちが普段目にするのは竹でできたものがほとんどですが、松、梅、一位、その他の木、蒔絵を施したもの、牙、鼈甲など。他流ではガラスなどもある様です。 今回お稽古で使用したものは節が5つもある存在感のあるものです。箱には短歌が書かれています。 「旅心」大徳寺 黄梅院住職 小林太玄 友京作 「彼の山へ 到るに道は 遠けれど 一日一日を 尚も旅ゆく」 As you might expect from its shape, chashaku is a tool for scooping up matcha. Most of chashakus are made of bamboo, but there are also pine, plum, yew, and other woods, maki-e decorated, tusk, tortoiseshell, and others. In other schools, glass is also used. The one we used in… Continue reading

  • 「千里春如錦」”Senri no Haru Nishiki no gotoshi ”

    今週のお軸は、、「千里春如錦」(せんりのはる にしきのごとし)です。 この句の自然描写は、「見渡す限りの春の景色は、錦のように艶やかだ。」又は、「春爛漫の光景」です。 そして、この句の禅語の解釈は、「茶掛けの禅語辞典」によりますと: 「絶対肯定の世界であり、人が春の景色の中に没入し溶け込んだ境地。そのままが悟りの境地。」とあります。 上記の辞書の解釈にもう少し説明を加えますと: 「絶対肯定」とは、この世のあらゆる事、良いことも悪いことも、全てをありのままに受け入れる事。 そして、あるがままに全てを受け入れることができた時、私たちは何にもとらわれない絶対自由を得られる、と言う考えです。 そのように、何にもとらわれない心で、春の景色に没入し、自然(宇宙)と一体化できた時の境地。それが悟りの境地。 2600年以上前に、ブッダは偉大なる悟りを開かれました。 それほどまでに偉大な悟りではなくても、私たちは自分の物事の見方を変えることによって、小さな悟りを経験できます。 あらゆる物事は見方によって、違って見えます。ですから、心を開いて物事を見れば、たくさんの問題解決法が見えてきます。と言うことを、この禅句は私たちに暗示しているように思われます。 ****** This week’s scroll is “千里春如錦” .  It reads ”Senri no Haru Nishiki no gotoshi ” and it is translated  “As far as you can see, spring is as gorgeous as Nishiki (brocade).” or “Spring is in full bloom”. And the zen meaning of this phrase,… Continue reading

  • 茶杓のお話 Cha-shaku

    茶杓は、元々は薬匙でしたが、日本の茶道の発展と共に、茶の道具として使われ「茶杓」と呼ばれる様になりました。 そして、素材も「ワビサビ」に合う様に、竹を使うようになりました。 現在一般に使われている、節のある竹茶杓は、千利休が考案したのが始まりだと言われています。 竹茶杓は、竹の種類、模様、欠陥などを上手にデザインに取り入れて作られています。そして、それぞれの茶杓の持ち主は、その特別なデザイン、形、又はそれにまつわる思い出などから愛着をもち、心を込めた名前(銘)をつけたり、それ専用の収納用の竹筒を誂えたりして、大切に扱います。 さて、お稽古で私たちが使っている茶杓の中に、「信太の森」と言う茶杓がありますが、これは、先生がまだ恩師のもとでお稽古をなさっていた時から使われている茶杓で、30年以上愛用されているそうです! 特別な愛着をお持ちになっているのが納得できます。 この茶杓の姿は、櫂先が尖っていて(剣先型)で、切り止が薄い茶色になっています。 この姿形から、鼻の尖った、茶色の尻尾の狐を思い起こし、そこから「信太の森 葛の葉」という、白い雌ギツネが主人公の民話を先生は連想されたそうです。それで、「信太の森」という銘を授けたそうです。 先生がこの民話を折々話して下さっていますが、この「信太の森 葛の葉」は典型的な日本民話のお話の一つです。人間と人間に化けた動物の関係のお話は他にもいろいろありますね。 ちなみにこの民話は有名で、日本伝統芸能の歌舞伎、文楽、浄瑠璃などになっています。 ************ Cha-shaku (Tea Scoop) was derived from Yaku-saji  (Medicine Scoop).   But, it became a part of tea ceremony utensils and the medicine scoop (Yaku-saji) was changed to tea scoop (Cha-shaku.)   Also the material changed to bamboo suitable to the sense of ‘Wabi Sabi”. Bamboo Cha-shaku… Continue reading

  • 「春入千林処々鶯」”Haru wa Senrin ni hairu shosho no Uguisu”

    Happy New Year!  This week’s scroll is 「春入千林処々鶯」(It reads “Haru wa Senrin ni hairu shosho no Uguisu”).  Calligraphy by Saki no Daitoku-ji  Ryohdo, zen priest. This phrase means  “In spring, the sun shines everywhere evenly & equally and Uguisu (Japanese bush warblers) are heard everywhere. This came from a zen phrase「春入千林処々花 秋沈万水家々月」(It reads “Haru wa Senrin ni… Continue reading

  • 「無事是貴人」”Buji kore Ki-nin”

    今週のお軸は「無事是貴人」です。 「無事」」と言う言葉は一般に、安全、変わった事がなく平安とか、言うような意味で使われています。 このお軸もそういった意味で、つまり、今年が無事に過ごされたことに対する感謝、そして来年もそうであるようにとのお茶席のご亭主の願いを込めて飾られるので、年末にお茶室に飾られる事が多いようです。 ですが、禅語としての解釈は少し違うようです。 「無事」と言うのは、「外や他に救いを求めない心の状態」又は、「全ての煩悩から解き放された心」と言う意味だそうです。 「貴人」とは「仏、又は、悟りを開いた人」と言う意味だそうです。 つまり、この禅句は「全ての煩悩から解放された境地にいる人が悟りを開いた人」と言うことだそうです。 仏教(大乗仏教)では、誰でも、仏になれる資質(仏性)を心の中に、生まれながら持っていると考えます。しかしながら、その資質は、心の中に幾重にも重なった煩悩の奥底に隠されているようです。 大晦日の夜に、日本のお寺さんでは、除夜の鐘を108回鳴らしますね。 これは私たちの持っている煩悩を取り除くために鳴らすわけですが、108と言うのは煩悩の数だそうです。 では、除夜の鐘で煩悩が取り除かれ、悟りに一歩でも近づけますように祈りつつ、、、。 良いお年をお迎えください。 This week’s scroll is “Buji kore Ki-nin”(無事是貴人). The word ‘Buji (無事)’ generally means ‘being safe’ or ‘peaceful’. The scroll with this phrase is often hung in the tea room at the end of year by a tea ceremony host to express his/her gratitude for the… Continue reading

  • 「紅葉舞秋風」”Kohyoh Shuufuu ni Mau”

    先週、お茶室に掛かっていたお軸は「紅葉舞秋風」でした。 これは秋の風景で、「紅葉が秋風に舞っている」という事で、一目瞭然(もちろん、崩した漢字がよめればですが、、、ムズカシイ)。 禅語の意味は、赤く色づいた葉が舞い落ちることを誰も止める事はできません。それは自然の法則だからです。 そして、それと同様に、私たち人間も、自然の一部であるので、自然の法則に抗う事はできません。という事だそうです。 時がくれば、私達それぞれに幕が降りて きます。できる事なら、優雅に穏やかにその時を迎えたいものですね。 We had a scroll 「紅葉舞秋風」in our tea room tokonoma last week. It reads “Kohyoh Shuufuu ni Mau” and its meaning is  ‘Autumn leaves swirl in the fall wind”.  It is simply depicting autumn scenery. But its Zen meaning is that nobody can stop these autumn leaves from falling because… Continue reading

  • Fisherman’s Wharf

    Fisherman’s Wharfはサンフランシスコを代表する観光地です。この看板一度は見たことあるのではないでしょうか? USJにもこの看板、あります!!名前の通り港町で、カニやクラムチャウダー、シーフードの屋台やレストランがずらりと並んでいて見ているだけで楽しいです。 Fisherman’s Wharf is one of San Francisco’s most popular tourist destinations. You have probably seen this sign at least once, haven’t you? Universal studio Japan has this sign, too! As the name suggests, it is a harbor town, and it is fun just to look at all the crab, clam chowder, and seafood… Continue reading

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